けーいちです。 今回は間取り図を書いてもらう際、使われる各長さの基本となるモジュールについて解説します。
私は、住宅展示場に初めて訪れた際、ヘーベルハウスの営業さんが即席で方眼紙に書いてくれた間取り図を見て、イメージを膨らませるために、自宅に帰った後、それぞれの部屋の広さなどを確認しようと思いました。
しかし、頭の中で1マスの大きさを1メートルで計算しても、計算が合わず悩んでいました。今回は、そんな方眼紙で使われている長さの単位である、尺モジュールやメーターモジュールについて触れていきます。
- 方眼紙に書かれた間取り図の長さを知りたい方
- 尺モジュールとメーターモジュールの違いやメリットを知りたい方
- ハウスメーカーを選ぶ上で、各社が採用しているモジュールを知りたい方
モジュールとは
モジュールは、建築を行う上で基準となる単位寸法をいいます。
一般的に尺モジュールとメーターモジュールが使われています。
日本では、古来から尺貫法という長さや重さを図る単位が使われてきました。この尺貫法は、中国から渡ってきた考え方となり、国内でメートルやセンチなどのメートル法が一般的に使われるようになった大正10年までは、基本的にこの尺貫法が使われていました。
尺貫法による長さについてメートル法に換算すると下記の通りとなります。
尺貫法での単位 | メートル法換算 |
---|---|
1里 | 3927.272727 m |
1町 | 109.0909091 m |
1間 | 1.818181818 m |
1丈 | 3.030303030 m |
1尺 | 0.303030303 m |
1寸 | 3.03030303 cm |
1分 | 3.03030303 mm |
この尺貫法による単位で長さを計算する方法を尺モジュールと呼び、メートル法による単位をメーターモジュールと呼ばれています。
日本で建築に関連する設計を行う場合、実は現代でも多くの場面で尺モジュールが使われています。
一番わかり易いものとしては、畳があります。畳は長辺が1間(6尺)、短辺が0.5間(3尺)となります。ちなみに、1坪という単位を良く使われますが、1坪は畳2枚分(2畳)の広さとなり、1平方間となります。
つまり冒頭で私がヘーベルハウスの営業さんに書いてもらった図面の長さを読み取れなかったのは、メーターモジュールではなく、尺モジュールの方眼紙だったからと言うことになります。 *1
ちなみに、間取り図を書く際、長さの対象は柱の中心を結んだ間の距離で記載されています。そのため、間取り図に部屋の壁から壁の長さについて2,730と書かれていたとした場合、実際に出来上がった部屋は273cmあるわけではなく、柱の太さや断熱材の厚さなどにより、壁の厚さが変わってくるため、それらが差し引かれ、実際には230cm程度になっていると考えておくと良いです。このように実際の壁から壁までの使える長さを有効幅などと呼んでいたりします。
尺モジュールのメリット
尺モジュールとメーターモジュールを比較した際、方眼紙の1マスが尺モジュールのほうが短い長さとなります。基本的に建築の設計を行う際、多くの設計士さんはモジュールを使用して長さを考えていきます。そのため、尺モジュールのほうが小回りの効いた空間設計が行いやすく、自由度の高い設計がしやすいものとなります。
このことから、同じ広さの敷地内に同じような間取りで設計した場合、各部屋の広さがメーターモジュールに比べ広く取りやすいのが特徴です。
また、多くのハウスメーカーや設計事務所では、現代でも尺モジュールを採用しており、そのためか建具(ドアや窓など)等の建築メーカーに依存しないものは、尺モジュールを想定して作られていることが多いです。
例えば、各部屋のドアは半間(約91cm)になっていることが多いかと思います。
メーターモジュールのメリット
メーターモジュールを使用した場合、尺モジュールに比べ広く作られることになります。尺モジュールと比較すると、有効幅にして1.2倍ほど広く作られることになります。
このため、廊下や階段等がゆったりとした作りとなり、バリアフリーな構造に適したものとなります。
また、近年の家具や海外の製品などはメーターモジュールを基本として作られており、そのような物を収納する上では収まりがよくなりがちです。
ハウスメーカー各社の使用しているモジュール
ハウスメーカー各社の採用しているモジュールは下記となります。
(各社の採用しているモジュールについて出来るだけ根拠と言えそうなサイトも合わせて探してきました。)
ハウスメーカー | モジュール | 参考サイト |
---|---|---|
積水ハウス | メーターモジュール | |
一条工務店 | 尺モジュール | |
セキスイハイム | 尺モジュール(900mm単位のユニット) | |
ヘーベルハウス | 尺モジュール(305モジュール) | |
タマホーム | メーターモジュール(オプションで尺モジュールに対応) | |
大和ハウス | 尺モジュール(22.7cmきざみのxevoΣ) | |
住友林業 | 尺モジュール | |
ミサワホーム | 尺モジュール | |
パナソニックホームズ | マルチモジュールシステム(15cm単位) | |
トヨタホーム | メーターモジュール |
まとめ
一重に間取り図といっても、各社で採用しているモジュールが異なっていたり、そもそも独自の単位で工夫をしていたりということが分かりました。
こうやって各社の違いを知ると、ますます同じリクエストをしたときに、各社どういう間取り提案をしてもらえるのか気になってきますよね。
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是非各社の提案の違いを確認してみてください。
*1:ヘーベルハウスの場合、正確には305モジュールが使われています。