けーいちです。 今回は、土地探しを進める上で、合わせてチェックしておきたい防火地域と準防火地域について紹介いたします。
- 土地探しをしている方
- できるだけコストを抑えて建てたい方
- 窓の種類などにこだわりをもって検討したい方
- 駅の近くの土地を検討している方
防火地域や準防火地域とは
防火地域・準防火地域は、各地方自治体が都市計画を行っていくなかで、市街地における火災の危険を防除するため定める地域として定められた地域をいいます。
具体的には、駅前や住宅などの建物が密集している地域、幹線道路沿いなどが、防火地域または準防火地域に指定されていることが多いです。
多くの地域では、駅前などの繁華街は防火地域に指定され、その周りを囲うように準防火地域が設定されています。
また、準防火地域の周りに法22条区域という同様に防火等を目的とした地域が設定されていることがあります。
土地探しを行っていく上で、自分のターゲットとしている地域が防火地域や準防火地域に指定されているかを確認するためには、基本的に各地方自治体の公開している都市計画を参照することとなります。
といってもどこを見たらわからないという方が多いと思うので、下記のサイトに各地域の都市計画を参照できるリンクがまとまっていましたので、参照してみてください。
防火地域や準防火地域の制限
防火地域や準防火地域に指定されている地域に建物を建てる際は、下記のような制限があります。
防火地域の場合
延床面積100㎡以下かつ1〜2階建て:耐火建築物または準耐火建築物
上記以外の場合:耐火建築物
準防火地域の場合
延床面積500㎡以下かつ1〜2階建て:制限なし(木造建築の場合、外壁や軒裏、開口部などに一定の防火処置が必要)
延床面積500㎡以下かつ3階建て:耐火建築物または準耐火建築物または一定の技術基準に適合
延床面積500㎡以下かつ4階建て以上:耐火建築物
延床面積500㎡以上1500㎡以下かつ1〜3階建て:耐火建築物または準耐火建築物
延床面積500㎡以上1500㎡以下かつ4階建て以上:耐火建築物
延床面積1500㎡以上:耐火建築物
耐火建築物とは
鉄筋コンクリート造や耐火被膜した鉄骨造などの耐火構造であること。加えて窓等の開口部を防火窓や防火ドア、防火ダンパー付き換気扇にすることなどが必要になる。木造でも耐火建築物にすることが可能
準耐火建築物とは
耐火被膜した木造住宅など、耐火構造ほどではないが一定基準に適合する構造であること。窓等の開口部は耐火建築物と同じ
窓の制限
恐らくマイホームを検討されている方の大多数は、駅からは多少離れた地域に2階建ての戸建てを建てようと考えている方が多いのではないでしょうか?
その前提で考えた場合、準防火地域で延床面積500㎡以下かつ1〜2階建ての条件に該当することになりますが、上記の通りこの条件の場合、特に制限はありません。
これを見ると特に何もしなくていいと思いがちですよね?
実はそうはいきません。
防火地域及び準防火地域に建てられる建物において、延焼の恐れのある開口部には、防火戸やその他の法令で定める防火設備を使用するよう定められています。
この中で特に注意が必要なのが窓になるかと思います。
このような地域に建てられる建物の延焼の恐れのある窓は、防火設備としなければならないため、一般的に網入りガラスにしたり、防火窓をいれる必要があります。
ちなみに、玄関も同様に防火設備にする必要がありますので、ご注意ください。
また、サッシが防火用のものになっている上で、防火用シャッターを付けた場合は、窓を網入りガラスにすることは必要ないようです。
延焼の恐れのある開口部とは
道路の中心線や隣地境界線から1階部分においては3m以内の部分、2階以上の部分においては5m以内の部分を延焼の恐れのある部分と定められています。
ヘーベルハウスの場合
実は私の購入した土地は、駅からそれなりに離れてはいるものの、幹線道路が近いなどの理由からか、準防火地域に指定されています。
この事をヘーベルハウスの担当さんは見落としていて、私が指摘をするまで一般用窓が入っていました。
これにより、焦って窓を全て見直し、該当する部分について防火用サッシや網入りガラスに変更をしました。
そして、私のプランでは2階のリビングに「そらのま」が設けられており、その部分の窓をビスタウインドウ(片引き+FIXの窓)にする予定でしたが、ヘーベルハウスの場合、2階用の大開口として選べる防火用窓は、掃き出し窓か、フォールディングウィンドウの2択になる形でした。
このような形で、防火用窓では選べない種類やサイズなども存在してきます。
そのため、準防火地域などの土地で建てる場合は、予め注意が必要になります。
ちなみに、一般用の窓から一通り防火用窓に変更した結果、見積金額はおおよそ70万円ほどアップしました。
ヘーベルハウスに限らず、どのハウスメーカーでも、防火用設備に変わると大きくコストが変わることになるかと思います。
コストをできる限り抑えてマイホームを計画したい場合は、土地選びの際に、その土地が防火地域や準防火地域に指定されていないかも合わせて確認すると良いでしょう。