けーいちです。 今回は、ヘーベルハウス(旭化成ホームズ)の外壁などに使われている、ALCコンクリートのヘーベル板について、メリット・デメリットなどを紹介いたします。
- ハウスメーカー選びをしている方
- ヘーベル板について詳しく知りたい方
- 耐火性や耐震性、断熱性、遮音性等が気になる方
ヘーベル板とは
ヘーベル板とは、旭化成が開発・販売しているALCパネルのことを指します。
このALCは軽量気泡コンクリートと呼ばれる建材のことを指しており、ドイツでヘーベルガスベトン社が開発したことが始まりとなった建材です。
旭化成は、このALCに目をつけ、ヘーベルガスベトン社と提携をし、日本にALCコンクリートを持ち込んできたことから、旭化成ホームズがこのALCパネルを使用した住宅をつくるメーカーとして立ち上がりました。
このことから、日本でALCパネルの代名詞とも言える形でヘーベル板が広まったものです。
ヘーベル板のメリット
軽量である
ALCはコンクリートですが、とても軽く、条件によっては水に浮くほどの軽さです。
軽量であることにより、地震のときにも建物全体の負担が軽減されます。
また、軽量であることから運搬もしやすく、工場からの運搬費についても削減されやすくなります。
耐火性
ALCは国土交通省から不燃材料として認定を取得している建材になります。
素材自体が無機質であるため、炎や熱を受けても発火せず、煙や有害ガスも発生しません。
また、ALCの特徴の1つである無数の細かい気泡があることから、空気層が熱の伝わりを抑えます。
ヘーベルハウスでは、検討中の顧客に対し、建築現場等へ案内し、そこで様々な説明などを行ってくれるものがありますが、そのイベントの目玉としても知られている耐火実験があります。
この耐火実験では、多くの住宅の外壁用建材で使用されているセラミックウォールのサイディングと、モルタル、そしてヘーベル板の3つを30分間ガスバーナーで直接火当て、どうなるかを見せる実験となりますが、ヘーベル板以外の2つはボロボロになってしまい、外壁の裏の断熱材に熱が伝わり焦げてしまっていたりしますが、ヘーベル板は何事もなかったようなぐらい(火があたっていた部分は変色していたりしますが)耐火性に強いことが分かる実験でした。
このような耐火性によって、例えば延焼火災のような被害には遭いにくくなることが言えるかと思います。
断熱性
耐火性のところでも書いたとおり、ALCパネル内の気泡により、熱の伝わりを抑えます。先程の耐火実験の際に、同時にヘーベル板の上にアルミ皿を置き、その中に生卵を入れた状態で、下から火で炙るような実験も行われていたのですが、他の建材の場合は、十分に茹で上がってしまっている(熱が伝わりやすい)のに対し、ヘーベル板は生卵のままでした。
このため、断熱材も使用するものの、断熱材がない状態でも高い断熱性能を持っているため、一年を通し快適に過ごせることが分かります。
遮音性
こちらも気泡により、音を吸収しやすく、外の音が家の中に入ってきにくかったり、家の中で騒いでいても、外に漏れにくい遮音性を持っています。
これについては、住宅展示場のヘーベルハウスに行くと、遮音性について体験できるものを見せてもらえます。
調湿性
吸水性が高い上、乾燥もしやすい性質を持っています。
ヘーベルハウスの場合、ヘーベル板を外壁だけでなく、床板や天井にも使用しています。大雨による床上浸水の災害に遭われた住宅の話を聞きましたが、ヘーベル板の調湿性により、すぐに乾いたことで、大規模な修繕がなく保険の範囲内で十分対応できたようです。
これが、他のハウスメーカーの場合、木造だけでなく、鉄骨造であっても、床板や床部分の構造には木が使われていることが一般的なため、木が水を吸収してしまい、そのまま乾きにくいため、変形してしまったり、腐ってしまう可能性も出てくることから、大規模な修繕となることが多く、場合によっては保険の範囲では収まらないことも多いようです。
耐久性
多くの外壁に使われる素材の場合、20年、30年と長期間外壁として雨風にさらされることにより、歪み等の変形をしてしまったり、伸縮してしまうことが多く、定期的なメンテナンスが必要です。
これに対し、ヘーベル板は、耐久性に強く、経年変化が極めて少ない素材です。
このため、外壁のヘーベル板については、なんと60年以上もの耐用年数とされています。
ヘーベル板のデメリット
水に弱い
調湿性のところでも書いたとおり、ヘーベル板は吸水性が高いです。これが短時間であれば、乾燥もしやすいためメリットとなるのですが、長時間水にさらされるような環境で使用する場合、内部の気泡に水が入り込み、更に寒い場所の場合、入り込んだ水分が凍結すると、ヘーベル板がひび割れる恐れがあります。
このようなことに対する対策として、ヘーベルハウスでは、独自の技術で作られた塗料で3層の塗装を行っており、水の侵入等を防ぐことを行っています。
ヘーベルハウスでは雨水の侵入を防ぐ部分の外壁塗装や外壁シーリング等の保証は30年としており、30年後に指定の集中メンテナンスを受けることで、更に30年の保証が受けられますので、通常の環境であれば問題ないことが分かります。
たとえば、橋脚のように水中に浸かりっぱなしになっている部分のコンクリート素材としてALCを使うことは向かないということになります。
衝撃に弱い
ヘーベル板は軽い素材となっており、内部に無数の気泡がある構造のため、とてももろいです。
実際に現場見学のときに聞いた話として、外壁のデザイン性を出すために、ヘーベル板(恐らく一部の種類)には、機械的ではなく、一つ一つのパネルに対し、鉄球を当てて、ランダムな凸凹感のようなものを作っていることを聞きました。
つまり、鉄球を当てると、当てたところの表面が一部砕けます。このデザイン性という部分のために行う作業は加減をして当てているのでデザイン性な範疇の砕け方になるのですが、仮に竜巻のような強い力によって硬いものが思いっきり外壁にあたった場合など、場合によっては壁面が大きく損傷する可能性があるようです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヘーベル板の魅力伝わりましたか?
私がヘーベルハウスを選んだ理由の多くが、このヘーベル板で外壁・床板・天井等のすべてを作っていることに魅力を感じたことになります。
ちなみに、積水ハウスでもダインコンクリートという外壁材があり、こちらも耐火性能が高いことが挙げられるようですが、ヘーベル板と比べると、熱がこもりやすいという形のため、場合によっては内部破裂を起こすこともあるようです。
ただ、ヘーベル板ではデメリットに挙げた衝撃に弱い点は、ダインコンクリートの場合はとても強度に強く、そこが大きな違いになってくるようです。
この記事を見て、ヘーベルハウスに興味を持ったという方は、まずは自分にあった間取りを書いてもらい、夢を膨らませてみるのも良いのではないでしょうか?