太陽光発電を行う際の売電と買電について

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けーいちです。 新居で初めて太陽光発電を行うということで、固定価格買取制度やら、売電と買電の契約やらについて、なかなか分かりづらかったため、この辺りについて調べたことをお伝えしたいと思います。

 

こんな人にオススメ
  • これから初めて太陽光発電を行う予定の方
  • 現在、固定価格買取期間の方
  • 出来るだけお得に電気の売買を行いたい方

 

 

固定価格買取制度

国内での再生可能エネルギーによる発電の普及を目指すために、国が再生可能エネルギーで発電した電気の買取金額を一定期間固定価格で買い取ることを約束する制度です。

固定価格買取制度の仕組み

再生可能エネルギーということで、太陽光発電以外にも風力や水力、地熱、バイオマスなども対象となりますが、この記事では戸建住宅において、屋根等に太陽光発電設備を設置し発電する方を対象に説明します。

戸建住宅において、ソーラーパネルを設置し、太陽光発電を行ったら、その電力をまずは自分たちで使用します。しかしながら、取り付けているソーラーパネルの出力容量や、その時の家庭内での電気の使用量によっては使い切れない電気が発生してきます。

この余剰電力について電気会社に対して売電することができます。

この売電価格を比較的高い金額で買い取らせることを義務化することによって、太陽光発電を導入しようとする方を増やしていこうという狙いです。

ただし、電力会社としては1kWhあたり仮に20円で販売しているところを、30円で買い取る様に義務付けられたら、大赤字になることが小学生でも分かりますね。

とはいえ、それなりの単価で買い取ることを約束しなければ、太陽光発電設備の導入にも100万円前後(10年前だと倍以上してたようです)掛かりますので、導入が進みづらくなります。

そこで、電力会社が固定価格で買い取った金額と、電気の使用者に販売した金額との差になる買取費用を、電気を使用する全契約者に負担させることで、帳尻を合わせる仕組みにしました。

10年ちょっと前から、電気代の一部に「再エネ割賦金」などとして、請求されているのがその買取費用の負担分となります。

この固定価格で買取を約束することを永久に行うと破綻することから、売電を開始してから最初の10年間のみ固定価格で買取をする約束というのが、固定価格買取制度(FIT制度)となります。

固定価格買取制度による買取単価

上記の通り固定価格買取制度により最初の10年間は固定価格で買い取ってくれるということが分かりました。

では、具体的にいくらで買い取ってもらえるのでしょうか?

一般的に戸建住宅で設置するソーラーパネルの出力容量は10kW未満が一般的ですので、ここでは10kW未満の場合のみ記載します。

今年度(2021年度)に売電を開始した方は、1kWhあたり19円、来年度(2022年度)は1kWhあたり17円となる予定です。

ちなみに、2020年度は21円、10年前の2012年度はなんと42円だったそうです。

 

現在の東京電力の日中帯のオール電化向け販売価格は1kWhあたり25.8円、深夜帯は17.78円なので、既に売電するほうが安い価格となってきています。

そのため、蓄電池等に日中の発電した電力を貯め、夜間の発電できない時間帯は貯めた電力を使用していく形にすることで、安く電気を使用することが出来ます。

固定価格買取期間の売電先

電気の小売自由化により、電力供給について契約を行う会社は、従来の東京電力や関西電力などに限定されず、ガス会社やインターネットプロバイダ、電話会社など様々な会社が電気の販売を行い始めました。

では、売電先も同様に自分の好きな会社と契約することが出来るのでしょうか?

答えはノーです。

一般送配電事業者として定められた、北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力の計10社に対して売電することとなります。

もちろん、地域毎に契約する会社は上記の1社に限られます。

固定価格買取期間の買電元

私が一番戸惑ったのがこれでした。FIT期間は電気の売電先が自動的に決まるということは、電気の供給契約(買電元)も同じ会社になると思っていました。

これについてもうお分かりの通り、電気の買電元の会社については、売電先とは別の会社と契約を行うことが出来るようです。

そのため、電気料金が安い会社を選んで契約することができます。

ただし、多くの方が太陽光発電を導入した上でオール電化にしているケースが多いと思いますが、通常の電気の小売は行っている会社でも、オール電化向けメニューは提供していないケースもあるので、注意が必要です。

固定価格買取期間満了後(卒FIT)の売電

固定価格買取期間の10年が満了した後は、買取金額が約束されていませんので、それまでの比較的高い金額で売電することは出来ません。

ですが、FIT期間と異なり、一般送配電事業者以外への売電も行えるようになります。

ちなみに、現在の東京電力の卒FIT後の売電単価は、1kWhあたり8.5円となります。

半分以下の価格となってしまいます。

しかしながら、卒FIT後の売電契約をどこかの会社としっかり結んでいない場合、無償で電気会社に電力を送電し続ける形になるようです。

なので、安くてもどこかの会社と売電の契約を結んでおく必要があります。

そこで卒FIT後の売電単価について調べました。

一部の短期的な特殊条件を除き、最も単価が高く買い取ってもらえる会社は、旭化成ホームズと積水化学の2社が一定条件で提供する1kWhあたり12円でした。

旭化成ホームズ(ヘーベル電気)の場合は、旭化成ホームズから蓄電池を購入し設置している場合の条件となり、家自体はヘーベルハウスでなくても対象となるようです。

積水化学は、家自体をセキスイハイムで建て、ソーラーパネルと蓄電池を積水化学から購入・設置した場合という条件になります。

ちなみに、旭化成ホームズから蓄電池を購入せず旭化成ホームズに売電を行う場合でも、1kWhあたり10円で買取となるので、ヘーベルハウス以外で建てられた方でも比較的高く売電できます。

また、ヘーベル電気は電気代(電気の供給)も安い設定になっているようなので、電気会社の検討としてヘーベル電気を検討してみるのも良いかもしれません。

まとめ

今回は固定価格買取制度に関連した電気の売買について紹介しました。

最初の10年は固定価格買取制度により私の場合東京電力に売電することが決まっているので、電気の供給についてどこの会社と契約するかを検討するだけとなりますので、今後新電力各社の調査を含めて紹介していくことも検討したいと思います。