【土地探しをしている人必見】セットバックとは

f:id:k1nakayama:20210610001922j:plain

けーいちです。今回は、注文住宅等の新築一戸建てを建てるために、土地探しをされている方には是非知っていてもらいたい、「セットバック」についてご紹介します。

 

こんな人にオススメ
  • 土地探しをされている方
  • 敷地に接している道路の幅が4m以下の方
  • 建物の建て替えを行う予定の方

 

 

セットバックとは

建築基準法では、「4メートル以上の道幅の道路に2メートル以上接していなければならない」という接道義務が定義されています。

現在の道路の原型が作られた大昔では、今のような自動車が往来するようなことはない時代だったため、ほとんどの道は、1.8m〜3.6mほど(1間〜2間)の幅で作られ、今でもその状態が残っている道が多くあります。

しかし、現代では防災の面などの観点から、基本的にすべての道路に消防車が入っていける広さを確保しなければ、その地域の住民は安心して生活が出来ません。

そこで前述のように、建築基準法によって4メートル以上の道幅の道路に2メートル以上接していること、という規則をつくり、防災を考慮した都市開発を行う基準を作ったわけです。(ちなみに、自治体によっては6メートル以上の道幅と定義している地域もあります)

しかし、そのような事情があるからといって、現在4メートル以下の道路に面している建物を全て取り壊し、4メートル以上の道路にしていくことは現実的ではありません。

そこで、今後建て替えを行う際に、4メートルの道幅にしていくために、道路の境界線を後退(セットバック)して建てるようにしていこうという長期に渡る計画が作られました。

これにより、4メートル以下の道幅の道路の場合、その中心線から水平距離に2メートルのとろこを道路の境界線とみなすという、例外条件が与えられ、このような道路を「法42条2項道路」や「みなし道路」と呼ばれるようになりました。

 

つまり、敷地に面している道路が4メートル以下の道路の場合、道路の中心線から2メートルのラインまでは道路として使えるよう自分の敷地として使わず、道路の一部となるように空けた形で利用することになります。

また、もしも敷地の向かい側が、川や水路、線路等の後退させることが出来ない状態の場合は、向かい側の境界線から道路側に水平距離に4メートルのところに道路の境界線が来るように後退させる必要があります。

 

なお、土地探しをしている際に物件情報に、セットバック済と記載のある土地については、すでにセットバックするべき部分までを後退済みである状態となります。

建ぺい率と容積率の関係

土地を購入しそこに建物を建てる場合は、建ぺい率や容積率について考えた上で設計する必要があります。

この建ぺい率により、敷地面積によりどの程度の広さの建物を建ててよいかが決まってきて、同様に容積率についても敷地面積によって延べ床面積の上限が変わってきます。

基本的に土地探しをしている際に見る土地面積は、これらのセットバックを行う必要がある面積も含まれた面積として書かれていることが一般的です。

セットバックを行った部分は、敷地面積としては認められず、道としてみなされます。そのため、建物を建てることが出来る面積は、土地面積からセットバック部分の面積を差し引いた面積に対して建ぺい率を掛けた結果の面積が上限となります。

容積率についても同様の考え方となります。

そのため、道幅が4メートル以下でセットバック済みではない土地については、建物を建てられる面積を計算する際には注意が必要となります。

固定資産税について

自分の家の敷地として使うことが出来ないエリアであれば、当然その該当範囲に対する固定資産税を支払いたくないと思うのは当然だと思います。

こちらについては、原則として固定資産税の対象面積からは除外することが可能です。

但し、固定資産税を管理する地方自治体では、各土地のセットバックに対する敷地面積を管理できているわけではありません。

そのため、このような土地を購入された場合には、各地方自治体に対し固定資産税の対象面積から除外してもらうための申請を行う必要があるようです。

これらの手続きや方法については、各自治体ごとに異なるため、問い合わせを行い確認をする必要があります。

まとめ

セットバックについて説明してきましたが、お分かりいただけましたでしょうか?

少し複雑な要件となっていますし、個人的にはセットバックが必要な土地についてのメリットが思い浮かびません。

要セットバックの土地ということは、土地に面している道路は道幅が狭くなっているということですので、車の車庫入れなども運転に慣れている方でないと難しいかもしれませんし、自分の家までの間に前方から車が来た場合、すれ違いをするにも中々困難な環境の可能性が高くなります。

さらに言えば、道幅が狭く消防車などの緊急車両が入ってきにくい道の場合には、それだけ消火や救助が遅くなる可能性も高くなります。

このようなことから、私が今回マイホームを建てる上での土地探しをする際には、要セットバックの土地については、候補から除外して見ていくようにしていました。

とはいえ、駅などの公共施設に近い土地などで、車を必要としないような地域の場合、セットバックだけで候補から除外するのは勿体ない可能性もあるので、これらを天秤にかけて判断していくと良いかと思います。